予防歯科

CO(初期虫歯)とは?

虫歯の原因となるミュータンス菌から出される酸によって歯の表面から大切なカルシウムやリン酸が失われて虫歯になりかかった部分が白っぽくなった状態です(脱灰)。痛みもなく、黒ずんだり、穴があいたりといったことはありません。
この段階ではごく初期の虫歯では削る必要はありません。
ある条件下では唾液の中に溶け出したカルシウムやリン酸は再び歯質に再沈着(再石灰化)していきます。
それには、きちんとしたホームケア、歯科医院で行う、プロケアが必要です。
当院では、年齢、お口の状態により個人に合わせた予防プログラムを提案しています。

なぜ虫歯になる?

ミュータンス菌の感染
ミュータンス菌という、お口のなかの食べかすに含まれる糖分を餌にして増殖する虫歯菌が、生後10ヶ月〜31ヶ月くらいの間に、保護者(主に母親)から感染するのが原因です。
保護者の口の中に、大量のミュータンス菌がいると、より感染しやすくなります。その時、子供が砂糖をたくさん摂った場合、更にミュータンス菌は、より大量に歯面に定着していきます。
バイオフィルム
ミュータンス菌などの細菌が集合体を作り、歯の表面に形成された強力な膜を、バイオフィルムといいます。
日常生活においては、台所のシンクの水あか、排水口のぬめりなどです。
虫歯菌は、この膜に守られて増え続けどんどん酸をつくります。
膜の内側は強い酸性となり脱灰(歯のエナメル質から成分のリンやカルシウムが溶け出す反応)が進みます。こうして虫歯は本格化します。
脱灰と再石灰化
飲食すると、プラーク中の細菌が酸を作り出します。臨海PH(歯の表面が溶け始める限界値)以下になると、歯の表面からカルシウムやリンが溶け出します。この現象を脱灰といいます。
しばらくすると、だ液の働きにより細菌の創りだした酸を洗い流す作用や、緩衝能による中和作用によって、溶け出したカルシウム・リンが歯の表面に戻ります。 脱灰した部分を修復してくれます。これが再石灰化です。つまり食事をするたびお口の中では脱灰と再石灰化が繰り返されています。

予防プログラム

当院では、初期虫歯の再石灰化のプログラムとして、メンテナンスに入る前に、年齢、お口の状態により、個人に合わせた予防プログラムを提案しています。
初期虫歯の再石灰化にはプラークがしっかり落とせていることが大切です。
2週間毎に3回、プラークチェックをしてPMTCによるバイオフィルムの除去をします。
きれいになった歯面にフッ素塗布、またはMIペースト塗布をし歯面を強化します。
これを1クールとし、年に2回から3回行います。
又、脱灰の症状が強い部位にはレーザー照射を行います。
PMTC
バイオの表面まで到達しない為、充分な効果が期待されなくなります。フィルムが形成されると、歯ブラシでは落ちにくくなり、抗菌剤やフッ素化合物などの薬剤も歯この部分のクリーニングを歯科衛生士が専門的な器械を使って行うことです。
PMTCには、虫歯や歯周病を防ぐはたらきや改善、歯質の強化とともに、歯の着色を除去し、光沢のあるきれいな歯を保つ、などの効果があります。痛みもなく早く終わります。
フッ素
COになってしまった歯は削って治す必要はありません。失われたカルシウムやリン酸はフッ素を効率よく使うことで再石灰化します。 定期的なフッ素塗布は虫歯を予防し、歯質を強化します。
MIペースト
CPP-ACP(リカルデント)を使用した製品で、牛乳由来たんぱく質の分解物であるカゼインホスホペプチド(CPP)と、非結晶性リン酸カルシウム(ACP)の複合体です。 歯に不足したミネラル(カルシウムとリン)を補い、酸性になった口腔内を中性に戻す中和作用と酸性状態になりにくい状態を維持する緩衝作用を持っているため歯質が強化され再石灰化に役立ちます。
MIペースト トレー法
トレー(マウスピース)を作成しペーストを塗布、口腔内に装着します。 歯面にペーストを停留させることができ効果を高めます。 トレーはご家庭でも使用していただきます。
レーザーによる虫歯予防
レーザーは特定の物質にしか反応しない特徴があり、健全で健康な部分を傷つけることなく安全に治療することができます。
フッ素とレーザーを組み合わせることにより弱くなった(脱灰した)エナメル質の表面を硬くして(再石灰化して)酸の浸透を防ぎ、フッ素の取り込みを増大させます。
フッ素だけ塗布するよりもレーザーをプラスすることにより数倍、歯を強くすることできます。使用するレーザーはNd:YAGレーザーです。